神様はいつだって狡猾で、大事なことは何一つあたしには教えてくれない





 「あんまり泣かれると俺も困んだけど」

 「誰の所為で泣いてるんですか誰が泣かせてるんですか」

 「何それ俺がわるいの?」

 「ええたぶんきっとそうです」

 神様はあたしに何も教えてくれないんだね?

  たとえば、世界がいつ終わるとか、誰が嘘をついているかとか、明けない夜への対処法とか、そんなことを。

 「煙草吸っていい?」

 「ダメ。」

 禁煙中でしょうMZD。
 が言った。

 「禁煙なんて嘘だよ」

 「ホラまた嘘をつく」

 あっヤベェまた俺嘘ついたよなうわー・・
 MZDは一人でうろたえた。

 「だから泣くのやめろってお前」

 「MZDが泣かせてるんだよ」

 「何これこの雰囲気めっちゃ俺が泣かせたみたいじゃねぇの」

 「だからMZDが泣かせてるの」

 「何で」

 「あなたが私たち人間に何も教えちゃくれないから」

 「何で教えなきゃならねぇ?俺はお前らがどう努力するか眺めんのが好きなんだけど」

 「そんなのひどいなぁやっぱり神様はあたしの思ってた神様じゃなかったんだね」

 「勝手にお前らが想像したんだろう俺を」

 恬淡として言う。

 「あぁーもうまた喧嘩させないでよ怒んないでよ」

 「分かってんよ」

 泣きたきゃ泣いてろ、MZDが言った。

 「そうするよ」

 「だぁあーイヤミが通じねぇのかこいつには!!」

 立ち上がって怒る。
 は興味なさそうにそれを見上げた。

 「泣くなってことだろ!」

 「そうなの」

 「あーチクショゥ調子狂うなぁこいつ」

 「あのねMZD」

 MZDはいらいらしたままを見た。
 黒い双眸が見上げている。

 「こういうときの画期的な対処法を教えてあげようか」

 「何だよ」

 「キスして」

 「ぅわ」

 少し気だるそうな顔をして、唇を重ねた。


  たとえば、世界がいつ終わるとか、あなたが誰を愛しているかとか、その眼が何を見ているかとか、そんなことを。


 「俺に訊かなくてもわかるだろーがよ」

 あぁ神様はいつだって狡猾なんだなぁ。












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 文章不調

                    (060423)

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