過保護。
そう言うとその神さまはいつもの笑い方で笑った。
すごく楽しそうで、まだ“少年”が焼きついたままの。
ニヤリ、ってやつ。
「放任にしとくにゃ勿体ねぇからな」
ホーニンねぇ・・。
復唱しるともっと楽しそうにする。
「お前やっぱ面白ェ」
言葉にならない、喉の奥をクツクツ鳴らして笑う。
私今何か変なこと言ったっけ??
もしかして下手なシャレでも言った?
過保護?放任??
やっぱり神さまってよく分かんない。
「そこが好きなんだけどな」
「じゃぁ私芸人にでもなろうか?」
だーっはっは。
余計笑われた。
私の頭をぐりぐりな出で、サングラスの奥の瞳が笑ってくれた。
「過保護にもなるだろうな、コイツがこんなんじゃ」
「どうゆうこと?」
本気で分からん。
全く知らない外国語を聞かされてる気分。
手のつけようのない、掴みどころのない神。
「何つーか…ガキだし。」
「何よそれー!!私子どもじゃないっ!!!」
「それでいいって。それだから好きなんだよ」
ムカつくけど何か響きのある言い方だった。
そのままストン、じゃなくてゆっくり羽根みたいに落ちてくる言葉。
「あー、冗談抜きで俺お前のこと好きだわ」
「ありがと。」
「全部俺のモンにしてぇ。お前は普通の人間じゃねぇ。何か。」
「ふーん。でもダメ。」
「何でだよ」
「だって私の音は私のだもん。あげないよぅ」
肩にかけたカバンから頭だけでているスティックを見ながら言ってやった。
私の音だもん、ゆずらない。
あげちゃったら、私は音を無くしてしまうから。
「じゃぁ・・」
ニヤリ。
「それ以外はいいんだな?」
「場合による。」
言うとつまらなさそうにする。
君だってコドモじゃないか。
与えられないから拗ねてる子ども。
「エムかぁいい」
「ンだよ、それって男に対して失礼じゃね?」
「かわいいんだもんー」
もし神があたしより背高くなかったら、私は今奴の頭を撫でてやろうとおもった。仕返し。
でもやっぱり私の身長じゃぁ届かない。
「私も170位あったらいいのに。神とつりあわないじゃんー」
「いいんだよ、お前は。」
「何それ」
「こん位の方が俺にとっちゃ好都合だし?」
目の前がちょっと暗くなって、何だと思ったらキスされてた。
表面が触れ合うくらいの、ごくごく軽いキス。
離れた後、エムが笑ってた。
「大体お前の性格で170もあったら怖ぇよ。」
え。うわ、すっごい馬鹿にされてる。腹立つ。
「何よぅううう!!!エムだって永遠の少年じゃん!!!!」
「俺はねー、特別なの」
「えええぇー?!!」
「だって神だし?」
ぅわ、職権乱用。
「大人気ない言い訳だよ」
「少年だぜ?」
「何でぃ」
ばびし、手を伸ばしてデコピン食らわしてやった。
負けずに反撃してくる。
ほらやっぱ子どもじゃん。
「お前ほんとに俺のこと愛してんの?」
「うん。多分そうだろうね。」
ニヤリ。
また笑う。
まだ“少年”が焼きついたままの。
すごく楽しそうな笑い方。
ずるいくせに。
そこが好きなんだなぁ。
私は。
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微妙にループしてるのでここから最初に戻ると一生終わりません。
甘いです甘い。
(050307)
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