ああ世界はもうすぐ消えてしまうのだとしたら。
手を繋いだわたしたちは途絶えてしまうのかしら。
消えるその瞬間は、あなたはわらっているのかしら。
あなたの目に何が映っているのかも知らされず、わたしは、ただ、
世界の
終わり
を見ている
「馬鹿か」
「馬鹿じゃないよ」
雨が降ったら軒下に入ればいい。
雷が怖いなら耳を塞げばいい。
じゃぁ、悲しくなれば、どうすればいいの。
平気なあなたが恨めしい。
わたしの心の内などあなたにはどうでもいいことなんだろうね。
ただあなたは六弦を掻き切ればいいんだから。
わたしはあなた(正確に言うとあなたの首辺り)をこっそりと見上げながら、思考する。
あなたはどんどん歩いていく。
わたしはとにかくあなたについていこうと、でもあなたをその場に引き止めていたくて、速くゆっくり歩く。
「もしわたしが、あなたの目の前から消えたら、どうするの?」
Dは長い髪を一度っきり掻いて、悩んでますって感じで答えた。
「地の果てまで探すだろうな。」
妥当な答えだ。
わたしはそれでも満足できない。
嫌だよ、24時間傍にいて。わたしのために歌っていて。手を繋いだままでいて。怖いよ。
「おい」
急にあなたが振り向いてはっとした。
見上げた途端に目が合う。
久々に見たDの素顔は(なんでそんな真面目になってるの)やっぱりきれいだった。
おそろしいくらいにきれいで、反則なまでにかっこいいのだ。
「
俺がいるのにまだ気付かねぇの
」
遅れて照れてしまったあたしは多分きっととても鈍いんだろうけど、確かなものはあなたしかないんだね
わたしはあなたが大好きなんです
それだけではわたしは満足できないです。
愛して、ください。
(私は何もかもまだ知らないままなんだろうなぁ/060717 うみのひ)
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