甘い安堵と温もりがわたしを安心させている。
 夜は嘘のように静かで、音は全てビロードの闇に吸い込まれて果てる。
 規則的な呼吸を聞いている。
 目が覚めているけれど夢の中のような気がする。
 アッシュの、私の背中にまわったままの腕は力なくその場にある。
 私はもう安心していいんだね?
 ずっとあなたにをしている

 「ねむれないっスか・・?」

 「・・起こしちゃった?」

 「ずっと目が冴えてるんスよ」

 なんだアッシュもなのか。
 またひとつ安堵が重なる。

 「なんかおかしいっスね」

 「どうして?」

 「こんな真夜中に目が覚めるなんて」

 「しかもふたりとも」

 「寒くないっスか?」

 「うぅん」

 「まぁ、これで寒かったら俺の体が冷たいんスね」

 寒くないよ。
 少なくともふたりべったりくっついて寝てたらね。

 「なにか・・考えてたっスか?」

 「どうして?」

 どうしてどうして言う癖がついたんじゃなくて、
 アッシュが今の私には困るくらい質問をくれるから。

 「心配そうな顔をしてる」

 「全然、そんなのないよ」

 あなたがいてくれれば心配なんていらないのです

 「だったら、いいっス」

 崩れるように笑う。
 目が冴えてると言っていたけどやっぱり眠いんだね。


 「おやすみアッシュ」

 「おやすみ。いい夢を、

 ベッドに沈み込むように、わたしの眠気は堕ちていく。
 満たされている感覚。
 心の中は無風で、何にもない。
 もう全ては完全になったように見えた。

 ありがとう。
 涙が出るくらいに、咽喉が嗄れるほどに、叫ぶよ。


  そしてを語る、語るのです
  情熱なる 深海魚








 (君の心の心にダイビングずっとぼくに抱かれてよ/060717)



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